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WithKids~海外に住む子ども達の心をサポートする臨床心理士の会~

皆さん、こんにちは。「駐在妻ライフキャリア研究所」臨床心理士の原田舞香と申します。日本列島を超大型台風が通過中ですが、皆さんのお住まいの地域は大丈夫でしょうか?

 

さて今日は、私が北京駐在の翌年、2010年から参加していたボランティアグループ「WithKids~海外に住む子ども達の心をサポートする臨床心理士の会~」(以下、WithKids)についてご紹介させて頂きます。私が当研究所を開設するに辺り、WithKidsの活動のことを語らずには先に進めない、そしてこれまで最もお世話になって来た臨床心理士の先輩方のご活動です。

 

WithKidsは代表の澤谷厚子さんが2006年に開設したボランティアグループで、今年で活動開始から12年目となります。澤谷さんはお子さんを連れて、インドネシア・ジャカルタでの駐在を経験された臨床心理士、すなわち「元駐在妻」の大先輩です。澤谷さんは駐在中、在住邦人のためのボランティアグループ「ジャカルタ・カウンセリング」を立ち上げ、帰国後WithKidsの活動を開始しました。

 

メンバーは全員臨床心理士。今、まさに配偶者の海外駐在へ帯同中の「駐在妻」の臨床心理士、その他の事情の海外在住の臨床心理士、海外駐在を経験されて今は日本で暮らす「元駐在妻」の臨床心理士、海外での子育て支援に関心を持つ日本在住の臨床心理士が集まって活動しています。海外在住メンバーはビザの都合等で他に仕事は持っていない人が多いのですが、日本在住のメンバーは、スクールカウンセラーを始めとした仕事の傍ら、活動に参加しています。

 

活動内容は、グループ名にもある通り、「海外に住む子ども達の心のサポート」をすること。メール相談での活動がメインですが、世界各地のメンバーが、それぞれのエリアの日本人学校を訪問したり、個人的に相談に入ることもあります。そして年に数回有志のメンバーによる海外日本人学校の訪問による研修や相談会の開催、毎年日本心理臨床学会の自主シンポジウムでの発表を行っています。

 

こちらのメール相談は3往復まで無料です。海外生活の中で、お子さんの発達のことで心配事が…日本人学校のお友達とのことで…等々、子育てにまつわる相談がありましたご利用いただけます。私は2015年度まで細々会の活動に参加させて頂いておりまして、微力ながら北京日本人学校の訪問や、メール相談のお手伝い等をさせて頂きました。私はそれまで子どもがいませんでしたし、スクールカウンセリングや発達相談の経験もなく、「子育て」といってもピンと来ないところからのスタート。その後母となって子育てが始まり、次第に「海外での子育てのリアル」を肌身に感じるようになりました。そして現地での子育て支援や医療機関でのボランティア活動へのヒントも多く頂きました。

 

代表の澤谷さんは、もちろん海外在住の子ども達とサポートする方々のために活動を始めたのですが、「臨床心理士が海外生活のためにキャリアを分断してしまうことを避けるためにも、役立てば」と思って下さっており、私のような者にも、長く在籍させて頂いておりました。おかげで、私は完全に臨床心理士として「キャリアの分断」をすることなく、5年強の海外生活を終えることが出来ました。

 

私は駐在当初、子どもがいないことで日本人コミュニティに入って行けず、キャリアの問題に悩み、非常に孤独でした。自分自身の専門も、働く人のメンタルへルス、キャリアの問題。そこで自分の得意分野を活かして「いつかWithKidsの『女性のキャリア版』のような活動が出来たら」ということを、心の片隅で思っていました。その「いつか」は、10年先のつもりでいたのですが、諸般の事情で今となりました。これが、「駐在妻ライフキャリア研究所」の始まりです。

 

末筆となりましたが、ここに改めて、代表の澤谷さんを始めとしたWithKidsメンバーの諸先輩方に心から感謝の意を表し、今日のブログを終わりたいと思います。

長文をお読みいただき、有難うございました。

 

☆「WithKids~海外に住む子ども達の心をサポートする臨床心理士の会~」☆

https://www.withkids-kaigai.com/

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