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Action Mom China~北京在住日本人女性によるボランティアグループ~

皆さん、こんにちは。「駐在妻ライフキャリア研究所」臨床心理士の原田舞香です。関西は台風続きの週末でしたが、皆さんお住まいの地域は大丈夫ですか?

 

さて今日は、私が中国・北京在住の5年間の内、3年間在籍していた、北京在住日本人女性によるボランティアグループ”Action Mom China”(アクション・マム・チャイナ)についてご紹介させて頂きます。ちなみにこちら、現在はMom China(マム・チャイナ)と呼ばているようです。本文では、通称の”Mom”(マム)と呼ばせて頂きますね。

 

Momの前身は「おしゃべり広場COCOちゃん家」という北京在住日本人ママさん向けの子育てサークルでした。私が長女の里帰り出産のため、東京の実家にいた2011年3月11日、皆さんご存知のように東日本大震災が起こり、日本列島は想像を絶する哀しみに包まれました。

 

そこで先の子育てサークルのメンバーの有志の日本人女性達が、震災直後にボランティア・グループを立ち上げ、フリーマーケット等を開催して義援金を集め、被災地に寄付する活動を始めました。これがMomの活動の始まりです。その後、メンバーが入れ替わりながらも2017年になる現在も、北京在住日本人母子への支援を活動の中心としながら、継続しています。

 

私はこの震災の後、産後2か月半の長女を連れて、北京に戻りました。臨床心理士の中には被災地にボランティアに行く方等いる中、私は遠い北京で何も出来ていないな…という思いでいました。”Action Mom China”には「ボランティアスタッフ募集」との掲示。ずっと気になっていたのですが、震災から1年、2012年3月のチャリティイベントが開催される際から参加させて頂きました。

 

メンバーは駐在妻の方が多かったのですが、ご主人が現地採用でお仕事をされていて、長く北京に住んでいる方もおられました。そして国際結婚・駐在妻の方が多くおられました。ご主人が中国人の方だけでなく、ご主人がフランス人だったり、イギリス人だったり国籍は様々でした。そして、世界各国をスライド※しながら飛び回っているような方も多かったです。そこで出会ったメンバーの皆さんの、エネルギッシュだったこと!Momの活動の傍ら、ご自分で就労ビザを取得して就職される方がおられたり、私のその後に大きな影響を及ぼしました。

 

メンバーの皆さんは手先の器用な方が多く、フリーマーケットに出品するために、クッキーやお菓子、手作り雑貨(大人向けのエコバッグ、子ども向けのスクールグッズ、移動ポケット等)、ビーズアクセサリー、ヘアアクセサリーなどを作ったり、不要になった子供服・子供用品などを集めていました。

 

そんな中、手先の不器用な私がずっと考えていたことがありました。私が妊婦になる前、子どものいない駐在妻だった時、参加できるコミュニティがなくて大変困っていたので、「北京に来たばかりの人が、友人作りや情報交換のため、何の肩書もなしに、年齢も男女も、子どもの有無も問わず、参加できる集まりがあったいいのに…」と。

 

丁度リーダーの方も、同じようなことを考えていたようでした。そして「私、臨床心理士の仕事で、デイケアなど、小グループの運営をやっていたので、何かできるかも」と話はとんとん拍子に進み、2012年12月から「歓迎北京~Welcome to Beijing~」として月1回、平日の午前中、日本人の多く住むエリアのカフェの一角をお借りして、北京に来られて間もない方向けのグループを開催し始めました。

 

お恥ずかしながらこのタイトルは中国語的に間違っており、今は「歓迎来北京」と名前が変わりましたが、その後も運営メンバーが変わりながらもMomの活動の一つの柱として継続しています。このグループを始めるに辺り、協力して下さったリーダーの方、先輩方、同期の友人に心から感謝申し上げます。

 

中国ではネット規制が厳しいため、今もVPNを通さなければGoogleやFacebookを見ることが出来ませんし、LINEは利用できないので、中国版のLINEのような「微信」(ウェイシン)で情報のやり取りをしています。ブログに対する規制も次々されて、Mom のブログはその度に引っ越していますが、WEB管理の得意なメンバーが、子育て情報(医療機関、予防接種、買い物、お手伝いさんであるアイさんについてなど)を載せ、子育て情報の集まる場所としての役割も果たしています。

 

お住まいの国や地域にも拠りますが、私の住んでいた中国・北京は帯同ビザでは仕事をすることが出来ませんでした。それでもこのようにして、Momのボランティア活動を通して得られたこと・人との出会いは、私の人生におけるかけがえのない財産となりました。このように私は、有償の仕事ではなくボランティア活動も、「キャリアの一ページになる」ことを身をもって体験し、そう信じています。

 

「海外駐在への帯同のため、仕事を辞めて来てしまった。ビザの都合で現地では仕事が出来ない。本帰国のことを思うとここで何もできず、ブランクのままでいることが不安…」と思われている方もおられるかも知れません。皆さんのお住まいの地域に既に日本人による・もしくは外国人でも参加出来そうなボランティアがあったら、是非参加されることをお勧めします。そして参加出来そうなものがなければ、ご自分で好きなことを始めても良いかもしれません。

 

今はネット上で世界中の人と繋がり、様々なことが出来る時代。皆さんも、「今、置かれた場所で」出来ることを精一杯、やってみませんか?そしてもちろん、困った時には相談に乗りますよ!ということで、只今メール相談事業のオープンを準備しています。準備が整いましたら、こちらでお知らせしますね。

 

※スライドとは、本国(日本で採用されているなら、日本)に戻ることなく、次の辞令が出て他国へ転勤すること。

 

☆”Mom China”ブログ☆

現在:http://momchina.blog.shinobi.jp/

2016年まで:http://a-momchina.jugem.jp/

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