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北京の中医クリニックでのボランティア

こんにちは。「駐在妻ライフキャリア研究所」臨床心理士の原田舞香です。京都は紅葉が見ごろを迎えているようですが、皆さんがお住まいの地域ではいかがでしょうか。

 

さて今日は、北京駐在時代に私が携わった中国医学(以下、中医)※注1クリニックでのボランティアについてご紹介させて頂きます。

 

前々回ご紹介したActionMomのボランティアは楽しくて、被災地や現地日本人社会のお役に立っているという実感はありました。しかし私は帰国後臨床心理士として本職に戻らなければなりません。少なくとも5年のブランクが空いてしまうので、再就職を考えてるもう少し専門領域に関する経験を積んでおく必要がありましたし、専門性を活かして社会貢献をしたいという思いもありました。

 

そしてActionMomのメンバーの中に、ご自分で就労ビザを取得して、外国人向け総合病院で通訳と医療コーディネーターとしてお仕事されている方がおられたことが、私にとって大きな刺激となり、「駐在妻でも、頑張ればできるんだ!」と勇気となっていました。

 

外国人も診療する中医クリニック「北京御源堂中医診所」(以下、御源堂)の中医師、徐文波先生は、私の恩人の一人です。徐先生は日本への留学経験もあり、日本語が堪能。内科、婦人科系疾患を得意とされており、妊活の応援をしてくれる、在住日本人女性にとって心強い存在です。私は北京渡航後比較的早い段階で、先輩駐在妻さんから徐先生を紹介して頂いたことをきっかけに、中医を「中国にいるから受けられる治療」として積極的に活用し、2人の子ども達の妊娠・産後を無事に乗り切ることが出来ました。

 

実は、私は御源堂に通い始めたころからずっと気になっていたことがありました。

この御源堂のHPに「インターン募集」と書いてあったのです。しかし自宅からタクシーで1時間と遠方だったので、諦めていました。それがその後、日本人が多く住むエリアに分院である「北京東文中医診所」※注2(以下、東文中医)を出され、家から車で10分と大変近くになりました。しかも幸運なことに、同じマンションに住む、娘と同じ幼稚園に通うお子さんのいる中国人ママさんの趙(大友)菁さんが看護師としてお仕事をされていました。

 

そこで、今回東文中医で院長となられた徐先生と趙(大友)菁さんとのご縁でボランティアをさせて頂けることになりました(写真左、お世話になった看護師の趙(大友)菁さん、ご本人に了解を得て掲載しています)。

 

私は「医療顧問」という立場で、最初は中医学講座のお手伝いをさせて頂きながら授業の聴講、その後メンタルへルスセミナーの開催や臨床心理学的知見からのコメント他、臨床心理士としての仕事をさせて頂きました。このもはや「お給料を頂いていない仕事」をすることは、日本人駐在妻社会で生きる中、ちょっと勇気がいる選択ではありましたが、大変貴重な経験でした。

 

こちらでスタッフの方とのミーティング、講座のお手伝い、セミナー準備と打ち合わせ、セミナー当日など、平日の昼間、概ね週2回通わせて頂きました。ActionMomの方は大きなイベントのお手伝いだけさせて頂くことにしていました。Momの方は子連れで参加出来るボランティアですが、こちらはそうは行きません。息子が1歳前からだったので、これもアイさん(中国のお手伝いさん)がいて下さったから出来たことでした。

 

中医はとても奥が深く、時間があればもっとじっくり学びたかったのですが、入り口の部分を垣間見、「体を冷やさない」「季節に応じてこんなものを食べたらよい」「このような症状の時の対処法・食べるとよいもの」といった健康に生活を送るための知恵を頂けたとは思っています。そしてセミナー等を通して、これまでの「駐在妻」としての生活ではお会いすることの出来なかった在住日本人女性の方々との出会いもありました。

 

それから、一緒にお仕事させて頂いた中国人スタッフの方々との交流も、私にとって貴重な経験でした。クリニックの休憩室で、おしゃべりしながら中国式の出前のお弁当(1食10元・180円くらい)を頂くのも楽しかったです。「日本の臨床心理士は何の仕事をしているの?」「中国に来てどれくらい経つの?」「家族は?」などはよいのですが、難しい話になると困ってしまい、友人や日本語の話せるスタッフの方に通訳してもらいました。このようにして、中国の外国人向けクリニックの仕事の現場もまた、垣間見ることが出来たかと思っています。

 

尚、こちらの中医クリニック、その後日本・東京に分院を開設しており、日本でも本場の中医が受けられます。

東文中医クリニック・新橋https://tbtcm.jp/

(もうお1人、大変お世話になった日本人女性医療専門職の方がおられるのですが、諸般の事情で後日、追記させて頂きたいと思います。)

 

こちらでボランティア出来たのは本帰国前の1年足らず。本来現地の日本人社会のお役に立つためには数年に渡りこのようなボランティアをする必要があり、もっと早く始めればよかったと大変名残惜しかったのですが、翌年度末、本帰国することになりました。その後、私が講師をしたキャリア・セミナーに参加した、日本で薬剤師としてお仕事をされていた駐在妻の方がボランティアに入ったそうで、こういった流れを作ることが出来たという意味でも、意義のある活動だったと思っています。

 

以上、私が北京在住時に経験したボランティア活動とそこで得られたことについて、紹介させて頂きました。

 

ところで皆さんがお住まいの国、地域では、外国人の就労ビザの取得制限はありますか?ご主人の会社に帯同家族の就労を禁じられるような規則があったり、駐在員の多い会社の場合、奥様会で「妻たるもの、家庭を支えるもの。本帰国後も専業主婦でいて当然」といった暗黙の了解があったりしませんか?

 

それでも、自分の人生は一度きり。海外在住という折角の機会ですから、ご自分の「今、ここで出来る精一杯」を一緒に考えてみませんか?もしよかったら、元駐在妻で臨床心理士の相談に乗りますよ。現在本研究所では初回相談無料で承っています。ご相談はこちらまで、いつでもお待ちしております。

 

※注1 中国医学(ちゅうごくいがく)とは、中国を中心とする東アジアで行われてきた伝統医学である。東洋医学、中医学、中国伝統医学とも呼ばれる。近年は欧米でもTraditional Chinese medicine (TCM、伝統中国医学)の名で、補完・代替医療として広く行われている。”(Wikipediaより引用)

日本では、広く「漢方」「東洋医学」として普及しているが、これらは中国医学の一部が日本で独自の進化を遂げたものだと言われる。(参考文献:http://healthpress.jp/2015/02/post-1577.html)

 

※注2 
北京東文中医診所 中国語HP
http://www.dywjmed.com/wap/index.asp
北京東文中医診所 日本語ブログ

http://bjdywj.seesaa.net/

 

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