【シリーズ・私のライフキャリア】Vol.2 ファイナンシャル・プランナーの中原美由己さん

皆さん、こんにちは。「駐在妻ライフキャリア研究所」臨床心理士の原田舞香です。早いもので今年も残り半月になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、先週第1回をお送りしました【シリーズ・私のライフキャリア】第2回は元駐在妻で、これからアメリカ・アリゾナ州にご出発されるファイナンシャル・プランナーの中原美由己さんをご紹介させて頂きます。

 

美由己さんとは、私がお世話になっている駐妻キャリアnetを通してお知り合いになりました。私が研究のために美由己さんの論文を取り寄せ、読んでいた翌日、美由己さんが駐妻キャリアnetに自己紹介を投稿されていたのがきっかけでした。

同じ関西圏の方ということで、是非!ということで、お目に掛かることが実現しました。

 

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【美由己さんの足あと】

美由己さんは20代の頃、勤務されていた大手電機メーカーを退職され、ロシア・モスクワに駐在帯同、4年間を過ごされました。本帰国後、元ご勤務先の関連会社で契約社員として海外帯同者向けセミナー講師をされながらご著書を出版されました。

中原美由己 著 「RUSSIAN MUSEUM & CAFE―私が紹介したいモスクワ」 新風舎

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その後、取得されていたファイナンシャル・プランナーの資格を活かして証券会社に正社員としてお勤めになりました。 

 

 そしてご主人がシンガポール駐在となり、再び退職して駐在帯同されました。現地の金融機関での勤務を希望されるも、PRPermanent Resident)保持者(永住者)が圧倒的に有利で、駐在妻でも働けるという労働許可だけでは働き口が限られ、就職活動は難航したそうです。半年の駐在の後帰国し、元ご勤務先で派遣社員として働きながら、海外帯同配偶者を人材として活かすことを研究するため、創造人材プログラムのある大学院に進学。修士論文を書き上げ、学会発表をされました。

 

「海外帯同配偶者の異文化適応能力についての一考察―グローバル人材としての潜在可能性に関する研究―」国際ビジネス研究学会

(↑タイトルをクリックすると論文のページへ)

 

美由己さんは「語学も出来る、異文化に適応して来た柔軟性もある、駐在妻という貴重な人材を、日本企業が採用しないのはもったいない、駐在妻を日本の企業が活用できる制度を作りたい」という想いで、元ご勤務先の関連会社である派遣会社と交渉するも、結局駐在妻の派遣システムの構築は実現に至らなかったということです。

 

その後ご主人が駐在されたインドに1ヶ月滞在、日本で妊娠・出産・子育ての期間を過ごし、現在は、ファイナンシャル・プランナーとして、海外赴任に伴うライフプランニング相談をされています。この度ご主人がアメリカ・アリゾナ州に駐在されることになり、今月末ご出発ということです。

  

【美由己さんの想い、今後の展望】

駐在妻は海外生活において語学や、異文化への適応、日本人同士、現地人、外国人とのコミュニケーションといった面で、日本ではできない多くの経験をし、本帰国後、日本企業で活躍出来る能力があるはずにも拘らず、「駐在から戻ると普通の主婦になってしまう」「駐在妻は、また再び海外へ行くことになれば仕事を辞めるであろうといったことから、マイナスイメージがつきまとう」もどかしい思いを語られていました。

 

美由己さんは今後アメリカで生活する傍ら、「駐在妻のスキルを数値化して、駐在妻が本帰国後にこんな仕事が出来る!と明確化し、企業で元駐在妻の雇用を創出出来れば・・・」と、世界中の駐在妻たちとオンラインなどで繋がりながら、人脈づくりや情報収集を進めることで、いつかこのことを実現したいと考えておられました。私は大学院進学前、人材派遣会社(派遣元の方)に勤務していたことがあり、何かお役に立てたらと思っています。

 

美由己さんがアメリカから戻られる頃には息子さんももう少し大きくなっているでしょうし、美由己さんの夢が実現に向かい、駐在妻の経験がより社会で活用されるような世の中に変化して行くことを期待しています。

 

以上、美由己さんのライフキャリアは、短大御卒業後、御勤務されていた時代の成功体験プラス駐在妻としてのご経験があってこそ「語学も出来る、異文化に適応して来た柔軟性もある、駐在妻という貴重な人材を、日本企業が採用しないのはもったいない、駐在妻を日本の企業が活用できる制度を作りたい」という想いに繋がり、今後に繋がって行くのではないかと思いました。

プレ駐在妻・現役駐在妻の方も、これまでのご経験にプラスして、今そしてこれからご経験されていることが、きっと何か新しいことにつながると思います。是非ご自分なりのライフキャリアを紡いで行ってくださいね。

美由己さんとはこの他にも、本帰国先が「東京圏と地方の格差」についてもお話させて頂いたので、また機会を改めて皆さんとシェア出来たらと思います。

 

 

 

 

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今回の記事を読んで、「私も自分らしいライフキャリアを歩みたい!」「でもどうすればいいか分からない・・・」など、思われたことはありますか?

 

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