【シリーズ・私のライフキャリア】Vol.4 「はたらくママ@シンガポール」代表 小野麻紀子さん

皆様、こんにちは。「駐在妻ライフキャリア研究所」臨床心理士の原田舞香です。先週日本では大雪の地域もありましたが、皆さんのお住まいの地域ではいかがでしょうか?

 

さて今日は【シリーズ・私のライフキャリア】第4回として、今回のシンガポール訪問でお目に掛かりました、小野麻紀子さんをご紹介させて頂きます。麻紀子さんは2人の女の子さんを育てながら、パートタイムでご勤務されつつ、「はたらくママ@シンガポール」「キャリアデザインカフェ」を主宰されている、大変アクティブな方です。

 

麻紀子さんとは、以前にブログでご紹介させて頂いたFacebookグループ「駐妻キャリアnet」でお知り合いになっていたのですが、前回の【シリーズ・私のライフキャリア】Vol.3でご紹介させて頂きました杉本佑理さんが「はたらくママ@シンガポール」の活動に参加しているご縁で今回直接お目に掛かることが出来ました。

 

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周囲から「まっきー」の愛称で親しまれている麻紀子さんは大学で人間関係学を学ばれ、卒業後、人材派遣会社にて広報業務ご担当としてお勤めしていました。5年半ご勤務された後、2010年にご結婚され、シンガポールで働いているご主人と生活をするために来星し、お仕事を探されました。

当時現地の人材紹介会社で紹介してもらったお仕事である、携帯電話会社の法人営業のお仕事を1年半されていたそうです。この期間を麻紀子さんはご自身の「アイデンティティ・クライシス」と呼んでおられます。

 

その後、ご友人の紹介で人材紹介会社の営業職に内定するも、3日後に妊娠が発覚。幸い内勤業務に配転して頂いたそうです。妊娠中、ロールモデルとなる在星日本人ワーママ(働く母親・Working motherの通称)さんを紹介して頂き、仕事と子育ての両立についてお話を伺ったそうです。当時、在星日本人ワーママさんはかなりのマイノリティ。この方からお話を伺ったことをきっかけに、「妊娠しても情報があること、同じ境遇の人に会うことで不安が軽減される」という思いが、後述するコミュニティの開設につながったそうです。

 

その後、産前産後12週のお休みを経てお仕事に復帰、お2人目のご出産を挟みつつ、こちらで前半の2年間は正社員、後半の2年は時短勤務でサポートスタッフとして、人材紹介業務に携わっておられました。2016年10月からはメディア関係会社にパートタイムでご勤務されています。

 

麻紀子さんはこのように仕事と子育て・家庭を両立されながら、2013年の10月、在星日本人ワーママさん達のコミュニティ「はたらくママ@シンガポール」(以降「はたママ」)を開設しました。2015年夏にお2人目の出産前後3ヶ月の休みを挟みながらも、毎月イベントの開催を続けました。2016年からはコアメンバーを3人、サポートして下さる方8人の計11人で運営されるようになりました。

 

シンガポールでは、いわゆる帯同ビザであるDP(Dependant's Pass)であっても、配偶者のお勤め先の考え方次第では一定の働き方が出来るという、他の国や地域から見ると、働きたい駐在妻にとって大変恵まれた環境。

そうはいっても、駐在妻でありながら「働きたい!」と思っている人は僅か。「はたママ」グループの中に、近所の日本人ママ同士では「仕事の話をしづらい」けれどこれから働きたいと思っている方たちのために、「プレはたママ」グループを開設されたそうです。

 

2016年10月からはホームページチームを立ち上げ、今やボランティアチームは30人(2018年1月現在)、メンバーは300人規模にもなり、現在はチームリーダーを2,3人決めて運営されているそうです。

このように「はたママ」はその名の通り、働く在星日本人女性達のために、なくてはならないコミュニティへと成長して行きました。

 

更に、麻紀子さんはパートタイムのお仕事とコミュニティの運営と同時並行で、2016年から「キャリアデザインカフェ」という事業も運営されています。こちらは麻紀子さんがこれまでシンガポールでお仕事を通し、多くの方のキャリア相談に携わったり、「はたママ」代表として多くの方の相談に携わったご経験に基づき始めたキャリア相談事業です。こちらの事業を2018年から、女性がママになっても、海外であっても、自分の叶えたいことをその人らしく進めるためのサポート(コーチング)事業として展開しようと考えておられるそうです。

  

☆下記のアドレスより、麻紀子さんの「キャリアデザインカフェ」メルマガをご登録頂けます☆

 

http://ae-ne.com/c/makico0414/entry/e/NtikhXxLnTQdswui/

 

☆小野麻紀子さんメディア掲載情報☆ 

シンガポール在住日本人向けフリーペーパー「ライフスタイル情報誌 パルティ」に「女子のためのオシゴト相談 キャリアデザインカフェ」というコラムを連載されています。

 

光文社から出版されている30代女性向け雑誌、「VERY」の最新号(2018年2月号)「今どき駐在妻のWork Life Balance」に麻紀子さんのご紹介が掲載されました。

 

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冒頭で麻紀子さんが「アイデンティティ・クライシス(危機)」の時期があったとおっしゃってました。実は「アイデンティティ危機の問題」は、私が修士論文のテーマとして扱った問題です。

人は、自らのアイデンティティ危機と向き合い、乗り越えていくことで、自身のアイデンティティをより強固なものにして行く、危機と再構築を繰り返すことで、中年期により強固なアイデンティティを持つことが出来ると言われています(岡本 1997)。麻紀子さんが通ってきた道は、正にこのことを体現しているのではないかと思います。

 

麻紀子さんのライフキャリアは、このアイデンティティ・クライシスを乗り越え、在星日本人ワーママのコミュニティ運営をきっかけに、広義における働く人々へのキャリア支援、という形で紡がれている最中です。海外で活躍される日本人女性として、今最も注目されている方の一人であることは間違いない、今後の麻紀子さんのご活躍に目が離せません。

 

以上、長文になりましたが、最後までお読みいただき、有難うございました。

 

参考文献:岡本祐子(1997)中年からのアイデンティティ発達の心理学―成人期・老年期の心の発達と共に生きることの意味 ナカニシヤ出版 pp.34-76

 

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今、このブログを読んで頂いている駐在妻の皆様にも、もしかすると今、「アイデンティティ・クライシス」の中にいる!という方もいらっしゃるかも知れませんね。この危機をどう乗り越え、人生の糧にして行くか!?よかったら一緒に考えてみませんか? 

今回のブログを読んで思われたこと、是非ご意見・ご感想をお待ちしております。

 

「駐在妻ライフキャリア研究所」では駐在妻・プレ駐在妻・元駐在妻の皆様が、心身ともに健康に、海外生活や本帰国後の「今、ここ」を精一杯過ごすことで、今後のライフキャリアを紡いで行くためのお手伝いをさせていただいています。

元駐在妻で、駐在妻のライフキャリアの支援を研究している臨床心理士がメールにてご相談を伺っています。

 

ご相談は「メール相談のご案内」から。2018年3月上旬まで、初回のご相談は無料で承っております。宜しければブログやHPについて、「お問い合わせ」フォームよりご意見、ご感想もお待ちしております。 

 

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